今回ご紹介するのは、アメリカのニュース機関USA Todayの拡張現実技術の活用事例です。
「USA TODAY」アプリでは、視聴者が専用ARセクションにアクセスして、月に一度公開される話題の記事を閲覧することができます。公開されている特集の中には、アポロ11号ミッションの50周年記念や、アメリカ初の奴隷船の到着を仮想的に再現したものなどがあります。
2019年のオスカー特集では、「メリー・ポピンズ リターンズ」、「ザ・フェイバリット」、「スコットランドのメアリー・クイーン」、「ボヘミアン・ラプソディ」、「ブラックパンサー」、「BlacKkKlansman」などのオスカーにノミネートされたデザイナーのインタビューとともに360度観察できる衣装のAR映像を作成しました。
USA Todayは、2018年7月に最初のAR記事を公開して以来、ユーザーのエンゲージメントが大幅に上昇しているといいます。女子ワールドカップのAR特集は20万回の再生数を記録し、視聴者はオスカーに関する記事を平均約4分もの時間視聴しました。従来のコンテンツでは、平均で約90秒の閲覧しかされていなかったといいます。
USA Today Networkの新興技術担当ディレクターであるレイモンド・ソト氏は、これは視聴者がいかにAR技術を受け入れているかを示していると述べています。
USA Todayのチームは当初、報道の新しい手段としてバーチャルリアリティ(VR)を使用するというコンセプトを考えていました。しかし、AppleとGoogleがARを搭載したスマートフォンを作るという決定を受けて、ARを選択しました。ソト氏によれば、視聴者のほとんどがモバイルデバイスでニュースを読んでいるため、ARの選択は合理的だったといいます。
ソト氏は、このような革新的なテクノロジーの出現により、コンテンツ制作者がより深い視点を得たり、新しいコンセプトを試したり、視聴者に合ったアプローチの開発に取り組むことができるようになったと考えています。AR技術以外にも、ドローン、人工知能、自然言語処理などの技術は、視聴者にとってのニュースへの没入感を高めることができます。それぞれのテクノロジーが何を実現できるのか、そしてそれらをどのように組み合わせることができるのかを探求し、観察することが重要だといいます。
・報道
参照元:USA Today Harnesses Augmented Reality for Exploring Current News Stories
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