今回ご紹介するのは、ロボット技術者のためのARアプリ「Iviz」です。
Robot Operating System (ROS)は、最も人気のあるロボット工学ソフトウェアフレームワークの1つです。しかし、その可視化ツールは不十分なため、今回カールスルーエ工科大学の研究者たちは、モバイルデバイスやMicrosoftのHoloLensのようなヘッドアップディスプレイ用の拡張現実感(AR)コンパニオンアプリを開発することになりました。Ivizと名付けられたこのオープンソースのアプリは、点群やインタラクティブなマーカーなど、ROSデータを可視化することができるといいます。
ロボット工学では、ロボットによって記録、生成、分析された情報は、通常、近くの物理的な位置に限られます。このデータをその場で可視化することができれば、ロボット開発に大いに役立ちます。さらに、ARは特定のタスクを完了するまでの時間を短縮し、ミスを減らすことができると研究で示されています。
「Iviz」は、Windows、Linux、MacOS、iOS、Androidをサポートしています。モジュールでは、シミュレーション中のロボットをARで可視化し、目標とする関節の位置、把持するオブジェクト、シーンの移動可能な起点などを表すインタラクティブなマーカーをつけることができます。このモジュールは、仮想ジョイスティックによる遠隔操作をサポートしており、Ivizユーザは実世界のロボットを操作し、ライダセンサの視野内のオブジェクトの上にライダ点群を重ねて表示するなどのデータを視覚化することができます。
Ivizは、線、点群、複製されたメッシュなどのオブジェクトをレンダリングするディスプレイ、または再利用可能なコードのアイデアを中心に構築されています。研究者が説明するように、Ivizはオブジェクトを破棄して再作成するのではなく、廃棄されたオブジェクトを再利用するため、多くのオブジェクトを一度にレンダリングすることで発生する計算コストを回避することができます。例えば、立方体で作られたフレーム軸が不要になった場合、Ivizは立方体のコンポーネントをロボットのリンクとして再利用します。
「モバイルROSプラットフォームを持つことには多くのメリットがあります。ARを使用することで、ロボットや環境とのインタラクションの新しい、より直感的な形の可能性が開けます」と、研究者たちは述べています。「さらに、Unity環境では、VRアプリケーションに簡単に移植することができ、これが今後の研究の次のステップとなります」
・設計
・研究
参照元:New AR app helps engineers visualize data to improve robot design
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